07/04/2024
Maydena Bike Park Five year Master Plan [Draft]
民間バイクパークの5ヵ年計画書 [叩き台]のご紹介
今回紹介するのは今年Hardlineが行われたオーストラリアのタスマニアにあるMaydena Bike Parkについてです。
HardlineのおかげでMaydena Bike Parkは日本でも知っている人は増えているのではないでしょうか?
ここはタスマニアにあるDirtArtというトレイル会社の社長が作り上げた民間のバイクパークです。
私はオーストラリアではWorldTrailというトレイル建設会社で勤めており、DirtArtは当時いわば競合企業という風に認知していました。
Dirt Artの社長のサイモンフレンチ氏は元々マウンテンバイカーで今は40代前半?の方ですが、単にマウンテンバイク付きではなく、私としては見習うべきことが多くある、すごいビジネスマンでもあります。
今回紹介するのは単純にMaydena Bike Parkがすごいよ!っていうことではなく、
彼らが昨年公開した、民間バイクパークの運営に関しての5カ年のマスタープラン資料がめちゃくちゃ面白く、日本でマウンテンバイクのパークビジネスをしている方にぜひ知ってもらいたい。トレイルビルドに興味のある若者にぜひ知ってほしい。そして、単純にMTBの業界関係者にも世界で起きていることを知ってほしいという意味で投稿しています。
この5カ年計画のマスタープランは下のリンクからダウンロードできます。
Maydena Bike Parkはオーストラリアの僻地であるタスマニア島の首都ホバートから車で1時間30分くらいにあるど田舎にあります。
私もコロナ前の2019年12月に新婚旅行で自分の作った登山道を歩きに、そしてブルーダービのマウンテンバイクトレイルを走りに行ったついでにこのMaydena Bike Parkにも行ったことがあります。
本題ですが、
このMaydena Bike Park Five Year Master Planというのは
民間のバイクパークが今後5年間さらなる成長をするために軸として書きまとめた資料になります。Draftと書いてあるので試案として捉えてください。
普通民間のバイクパークでこういった資料を一般公開しているところって私が知る限りはありません。単純に自分のリサーチ力が弱いだけかもしれませんが。
英語が苦手な方はGoogle翻訳するとある程度は内容が入ると思います。
さらに深掘りしたい方は私に直接連絡していただいても構いません。
この投稿でこの資料全てを網羅するわけではありませんが、
大まかにこの資料に書いてあるのは、
・開業して5年たった現在、過去5年間の事業成長を1年ごとに説明
・今後5年間の計画を詳しく説明してあります。
この資料で私が面白いと思ったことをいくつか紹介します。
1:軸がしっかりしている。
当たり前ですが、事業の本質をしっかり明記しています。それらがこの資料でいうMission Statement, Core Valuesという部分。このパークが何を大切にしているのか。
当たり前だけど、その当たり前ができていないのが日本。
そう行った意味で改めて、海外の資料見てストレスがなく読めました。
2:民間のバイクパークですが、近隣の住民や企業とミーティングを開いている。
このミーティングで、パークの計画や、地元住民からの要望、苦情をヒアリング。
それに対して、できるアクションはしっかり行なっているところが素晴らしです。
具体的な住民からの苦情は、
・パーク利用者がパーク外で無断キャンプをしている。
・街の中でヘルメットを装着しないで走っている
ということです。
それに対してパークはパーク出口で注意喚起の看板設置を行なっています。
3:ローカルの無料で走れるトレイルの整備
地元からの要望でパーク周辺にも無料のトレイルを整備したいいう声があり、
パークが非営利のトレイル団体を立ち上げ、整備する計画も盛り込まれています。
これですよ。こういう考えだから海外ではMTBが多く広まってくんだろうなと。
こういうの日本も見習いたいと思いました。
民間企業の収益事業だから自分たちさえ良ければいいっていう考えではなく、
地域も盛り上がるために必要なことはやる。そしてそれが結局将来的に自分たちにも帰ってくるという流れになると思います。
日本も見習ったほうが私はいいと思います。
4:USPを把握。
USPとはUnique Selling Propositionsといって、よくビジネスで使われる英語だそうですが、簡単言うと、このパークの事業体としての強み。です。
自分たちがどんな強みがあるかをしっかりリスト化し、把握していること。
大したことじゃないですが、当たり前でもそれをしっかり把握しているとしていないでは、
企業が成長するための次のアクションで大きな差が出てくると私は思います。
5:金曜日の草レース開催。
ローカルの文化を作るため毎週金曜日に草レースをこのパークで行っているそうです。
いまでは毎週約100人のライダーが参加するとのことです。
ちなみにこのパークのある町Maydenaの人口は約200人!
ってことは想像ですが、近隣からもライダーが金曜日に集まり参加しているんでしょう。
こういった文化づくりは非常に大事です。
日本では岩岳バイクーパークがある長野県白馬村でもローカル団体が草レースをやっていると話を聞きます。そしてローカルの子供達が着実に育っていると言うことも。
日本の他でもそれぞれ文化を作っていると思いますが、改めてこういったことは自分が住んでいるエリアでも実現したいです。
6:声を聞く
パーク事業を成長する上で客観的にパークがどう捉えられているかを知ることはとても大事です。
多面的な角度(利用客、スタッフ、ステークホルダー)からパークを見ることで、パーク成長に必要な軌道修正を計画に盛り込むか。そこをこのパークは重要視しています。
見習いたいですね。
7:持続可能性な自然環境への配慮
大自然で有名なタスマニア島、そのユニークな植生と地形の中に存在するパーク。
整備するにあたって多くの規制を乗り越え実現したパーク。
事業として儲かればいいと言う考えでなく、この先もこの大自然を残す意味でも
大切な自然保護活動(植林など)をこの計画にも盛り込んでいます。
これもとても大切だなぁと思い知らされました。
8:リフト/ゴンドラ計画
パーク利用者の声としてリフト、ゴンドラアクセスの要望が多かったのですが、
その声に応えるべく、5年後にリフトまたはゴンドラ稼働を計画に盛り込んでいます。
その数年前からFeasibility Studyを行う計画も盛り込んでおり、このパークがさらなる成長を考える上で、単にユーザーの声に傾けるのではなく、しっかり事業として検討、計画しているところが素晴らしいと思いました。
9:攻めの計画
この5カ年計画を約2000万オーストラリアドル(約20億円)の予算をかけて進めていくとこの資料では謳っています。
大元のDirtArtはタスマニアにある小さなトレイル建設会社でしたが、今ではパーク事業も自分たちで行い、先5年で約20億円の予算を投じて事業成長に向けた投資を行います。
日本の市場とオーストラリアの市場は同一ではないのでなんとも言えないですが、
こういったデータを集め、分析、計画、投資するこの攻めの考えをこのドラフトではありますが計画書で読むだけでも、オーストラリアは前向きな考えでいいなぁと思いました。
押し付けるつもりではありませんが、日本でパーク事業を行っている事業体やこれから検討している事業者にぜひこの資料を読んでいただき、一つの参考として、ベンチマークとしていただければと思います。
私も水面下で3−4年前からとあるプロジェクトを進めています。
いずれ実現化できるようにがんばります。
今回は少し長く、そして殴り書きになりましたが、日本の誰かに届き、刺激になればと思います。
Today marks our 5th birthday, and what a ride it’s been! We’ve been through a fair bit in these five short years, surviving floods, fires, and global pandemics, while hosting...