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<スイング見抜き能力Ⅵの2,3>今回は「速度過剰」と「緊張過剰」を説明していきます。まず速度過剰からですが、これは「無理な動きで速度を上げている」という印象を与えてしまう運動の特徴です。動きが速いこと自体には問題はなく、むしろ望ましいことで...
10/04/2026

<スイング見抜き能力Ⅵの2,3>
今回は「速度過剰」と「緊張過剰」を説明していきます。

まず速度過剰からですが、これは「無理な動きで速度を上げている」という印象を与えてしまう運動の特徴です。動きが速いこと自体には問題はなく、むしろ望ましいことです。しかし、この速度過剰という特徴を持つ運動では「動きに使う力」や「動きの順序」を無視して動きの速度を上げているため、当然ではありますが最も速い動きが求められる局面とは別の局面の速度が速いということになってしまうのです。そのためパフォーマンスそのものの出来栄えは芳しくなく「意味なく速い」、「空回り運動的な印象」を与えてしまいます。

ゴルフスイングにおいては、ダウンスイングからフォロースルーにかけて、すなわちインパクトエリアの速度が速いことが理想になりますが、この速度過剰と言われるNG運動では「バックスイングのクラブの動きが速い」とか「腕の動きと協調しないダウンスイングの体の回転速度が速い」という現象があげられます。前者はゴルフスイングにおけるバックスイングの本来の目的である「ダウンスイング以降にクラブヘッドの速度が上がるようにするための準備動作」という点を忘れて腕力で闇雲にクラブヘッドを振り上げているスイングが例としてあげられます。よく見かける体を動かさずにクラブヘッドから素早くスタートしてしまうバックスイングですね。このバックスイングではクラブヘッドの体に対する位置がずれてしまうためにダウンスイング時の体の回転速度がクラブヘッドに伝わらない「振り遅れ」状態を発生させてしまいます。また後者の「腕の動きと協調しないダウンスイングの体の回転速度が速い」スイングは、左腕を下げる速度を無視して体を回転させてしまうというNGスイングの定番であり、右腕と右サイド上半身の共同作業で押し腕によりクラブヘッドの速度アップさせる振り方です。どちらのスイングも動きの速度がパフォーマンスに反映されない運動になってしまいます。
 
続いて「緊張過剰」です。こちらは無駄な筋緊張を発生させてしまう運動を指します。運動とは力が必要な局面で、できるだけ短時間で大きな力が加えられる方がいいパフォーマンスになります。たとえ力強くても力を加える局面が運動の目的に対してあまり重要でない局面である場合や、たとえ重要な局面であっても力を長時間力にわたり加え続けるという場合、その運動では望ましい結果は得られないことになります。ゴルフスイングにおいてはダウンスイング時の「右腕の力み」があげられます。右腕主体のダウンスイングではトップオブスイングから右腕でボールのある位置までクラブを運ぶため長時間力を加え続けることになります。その結果、クラブの自然落下による重力を味方につけたスイングができなくなります。これは運動としては効率が悪いですよね。バックスイング時に右腕でクラブを振り上げてダウンスイングでは左上腕をアドレス時に左上腕が位置した左胸の位置に「引き下げながら絞る」一瞬にだけに力を使いあとはクラブヘッドの重みでクラブを振ってしまうという運動が正解でしょう。また、回転動作でも右膝を軽く内側に絞っておいて上半身をバックスイング方向に回転させると体に戻りたい反応が出るのでその瞬間に左膝を止めて左腰をキュと引くと体は堰を切ったように回転を始めます。これも緊張過剰のない体の回転と言えるでしょう。

次回は「随伴動作」と「スポーツ運動学に基づく正しい運動の見分け方」のまとめです。

運動指導者は、自分ができるだけでは十分な指導はできません。勉強が必要です。

つづく

<コンバインドプレーン・ゴルフレッスン>
https://youtube.com/channel/UCbxK604xEd-IB4BgrNfXVEQ

飛んで曲がらないボールを何度も打ってスコアアップ
ゴルフはダンスだ  ゴルフクラブは勝手に動かない
だから、飛んで曲がらないボールを何度の打つにはそれなりの体の動きが必要になる
「コンバインドプレーン理論」はゴルフスイングを「体の横の回転」と「腕の縦の動き」の合成と考えています。この考えに基づくとスイング中の両腕、両脚、体幹の正し動きが明確になります。そんな考えからゴルフスイングや矯正法、ミスショットの原因解説や修正法などが開発できました。それらをすべて2~3分ほどの動画にまとめて見やすくしました。是非参考にしてください。
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<スイング見抜き能力Ⅵの1>今回からは見ている人に「キマッタ」という印象を与えるゴルフスイングと「キマッタ」という感じのないゴルフスイングではどこが違うのかを説明していきます。よく上級者とのラウンドで打ち終わったシーンが静止画のように止まっ...
19/11/2024

<スイング見抜き能力Ⅵの1>
今回からは見ている人に「キマッタ」という印象を与えるゴルフスイングと「キマッタ」という感じのないゴルフスイングではどこが違うのかを説明していきます。よく上級者とのラウンドで打ち終わったシーンが静止画のように止まった感じがするなんとも説明のしにくい「キマッタ感のあるゴルフスイング」に出会った経験のあるゴルファーは多いでしょう。一方、自分のゴルフスイングを撮影をして、フィニッシュでバランスよく静止できているのになにかキマッタ感がないと悩んでいるゴルファーもよく見かけます。さて、この印象の違いはどこからくるのでしょう?

この印象の違いは、「その運動に必要な力が必要なだけ発揮されているかどうか?」にあります。つまりフィニッシュ姿勢で言えば、ゴルフスイングに必要な力をすべて出し終わった状態でフィニッシュ姿勢をとっているかどうか? ということなのです。例えば、静止するためにわざと出力を小さくして力を出し切らずにバランスをとっているゴルフスイングでは周りにキマッタ感を与えることはできません。

この「必要な動きに必要な分だけ力を発揮する」という運動は、時空間の安定性、すなわち「その運動で使う時間と空間が一定であること」と、速度やリズムなどの力動的な安定性、すなわち「動きの速度やテンポが一定であること」、が守られているのです。そのため毎回必要な力で行える最大限の運動が実行されるので見ている人にキマッタ感を印象づけられるのです。

これに対して見ている人にキマッタという印象が与えられない未熟練者の運動は、必要以上に運動範囲が大きいことで発生する「空間過剰」、必要以上に運動速度が速くあわただしいことで発生する「速度過剰」、解緊のない持続的な筋緊張及び筋の過緊張により発生する「緊張過剰」、必要以上に力が投入されることで発生する「出力過剰」、運動本来の目的には不必要な動作が加わってしまうことで発生する「随伴動作」という5つの特徴を持っています。

このような特徴を持つ未熟練者の運動の矯正を行うには、動き全体を概観し「NG動作同士の補い合う関係」を見ながらそれらの動作を矯正していく必要があります。その理由は補い合う関係を無視してどちらか一方を矯正してしまうとパフォーマンスが完全に狂ってしまうからです。ゴルフで言えば、「まったくボールが打てなくなってしまった」という状態に落ち入ってしまう、ということです。

ただしここで理解しておかねばならない大事なことは、NG動作同士の補い合う関係の矯正とは「それぞれの動きを正しくする」ということではなく、運動の制御、つまりNG動作を許している関係を整理しながら「NG動作を行っている部分が好き勝手に動けないようにする」、という考え方が重要なのです。そのうえで、制御された動き同士の間に「力の均衡状態」を作ることで「偏りのある動き」を防いでいくという手順で進みます。そうすることで作られた力の均衡が最終的に未熟練者の運動の特徴、すなわち正しいパフォーマンスを達成するには不必要な空間、速度、緊張、出力、動作を防ぐことで、そこに「キマッタ感のある運動」が出現させるということになります。

今回は上記5つの非熟練者の運動の特徴の中からゴルフスイングにおける「空間過剰」について説明していきます。

空間過剰運動とは「正しい動きでは使わない空間を使ってしまっている運動」のことです。ゴルフスイングで具体的に説明すると「バックスイングのスエー動作」や「ダウンスイングの右肩突っ込み動作や右肩下げ動作」があげられます。これらのスイングでは正しいスイングを行った場合には使わない空間を体の一部が通過します。この本来使うべきではない空間を使っての運動、すなわち空間過剰を抑えるためには運動の制御が必要になりますが、「どの部分のどの動き」で「どの部分のどの動き」を制御するのかが重要になります。なぜなら次の段階で積極的に動かなければならない部分を使って動作制御を行うってしまうと運動全体がおかしくなってしまうからです。

そう考えると「バックスイングのスエー動作」の矯正ではバックスイングで腰を右に動かさないようにするために「腰を止める」とか「右股関節に乗る」、「右腰を引く」はNGです。なぜならその防止策はダウンスイング以降の左脚主体回転を妨げる可能性があるからです。スエー動作を矯正するということは、スエー動作を防ぐというだけでなく防ぐ動きそのものが次の段階の動きにつながるように矯正することが重要なのです。バックスイングで意図的に腰の動きを制御することはダウンスイング以降の動きで主役になる腰に制約を与えてしまいます。ダウンスイングからフォロースルーへの回転はゴルフスイングで最も重要といっても過言ではない局面であり、その局面の主役にはバックスイング時には動きの意識を要求しないほうがいいでしょう。そこでスエー動作は右脚で止めるようにします。右膝を右脚内転筋で固定して右肩を引くバックスイングを行います。すると上体は若干右脚の上に動き左腰は左脚に動かされます。するとダウンスイング回転は左腰リードでスタートできるのです。

また、「ダウンスイングの右肩突っ込み動作や右肩下げ動作」を矯正する場合は、右肩の動きを矯正するのではなく上体が背骨軸で回転する動きで矯正していきます。ゴルフスイングでは上半身はアドレス時の前傾姿勢を保って回転します。つまり、ゴルフスイングではダウンスイングでは「右肩は下がりながらボールに向かう」のです。しかし「突っ込む」や「下がる」はNGです。これはゴルファーからすると「????」でしょう。なぜならある時は「下がってないからトップショット」、またある時は「下がりすぎてダフリショット」。さらに回転するということは「右肩は下がりながら回転方向に動く」、この動きと「右肩が突っ込む」はどこが違うのか? 

答えは右肩の動きで矯正するのではないということです。右肩はバックスイングでバックスイング方向に引く動きを行ったらそこに置き去りにして左腰の引きでダウンスイングを行うということです。これによって上半身に関しては左腰の動きに引っ張られる左肩が回転をリードすることになります。左肩はバックスイング時に上体の前傾姿勢を保って回転するためにトップオブスイングでは右肩より低い位置にあります。この姿勢から左肩が回転をリードすると右肩は上体の前傾軸に見合っただけ下がりながら回転します。
これによって「ダウンスイングの右肩突っ込みや右肩下げ」は矯正されるのです。

次回は「速度過剰」、「緊張過剰」を説明します。

<スイング見抜き能力Ⅴ>続いて「キレのない運動」という印象を与えてしまう動きです。このNG運動には運動リズムが関係しますが、運動のリズムとは「運動している時の入力と脱力の構造」であり、ひとつの運動の根底に横たわっている緊張と解緊張(脱力)の...
22/02/2024

<スイング見抜き能力Ⅴ>
続いて「キレのない運動」という印象を与えてしまう動きです。このNG運動には運動リズムが関係しますが、運動のリズムとは「運動している時の入力と脱力の構造」であり、ひとつの運動の根底に横たわっている緊張と解緊張(脱力)の交代のなかに現れる運動質なのです。

動きを組み合わせることで運動には特徴的となる運動リズムが発生することになるのですが、緊張と解緊が上手く協調したスポーツ運動ならどれでも運動リズムはきわめて明確的に現れ、「キレのある動き」という印象を与えることになります。

そのためスポーツ指導者は運動者の中に運動リズムを見出してうえで、運動者がリズムを正しく現わせる手段や方法を探して運動者に正しい運動リズムを表現させることが重要になります。最もよい運動リズムが現れる運動の特徴とは緊張局面と解緊局面の間に流れるような秩序があります。これに対して運動リズムが見られない運動とは、例えば力を入れて固定した静止のポーズから次のポーズへ移るというリズミカルな緊張交替を遮断してしまった古典徒手体操のように緊張しっぱなしで行われる運動だけなのです。

人間は運動リズムが把握できれば、それに働きかけることで、リズムを変化させて、さらには分化させることでよって新らたなリズムを持つ素晴らしい運動を作り出す可能性をもっています。皆さんもわかるようにスポーツの名選手が行う運動というものは、視覚的にも聴覚的にも極めてはっきりと浮き彫りになった運動リズムを持つという点で他者の運動から際立っているのです。

以上の点を踏まえたうえで「キレのあるゴルフスイング」を考えてみましょう。ゴルフスイングではスイング中の両腕、両脚、体幹の動きの中の緊張と解緊を見極めながら運動リズムを発生させていきますが、リズムを上手く発生させるには相反する動きを組み合わせることで1+1が2以上になるような動きの組み合わせを作ることにあります。

具体的に説明していくとゴルフスイングにおける相反する2つの動きとは「左右腕の腕による縦方向の動き」と「体幹部の上半身と下半身によって行われる体の横の回転」です。左右の腕に関しては「クラブの振り上げを行う右腕」と「クラブの振り下ろしを行う左腕」の組み合わせであり、体幹部に関しては「バックスイングの回転を行う上半身」と「ダウンスイング以降の回転を行う下半身」です。

バックスイング時のクラブの振り上げは右腕が担当しますが、振り下ろしは左腕が担当します。この左右の腕の別々の動きでは右腕によるバックスイングのクラブの振り上げが終了する直前に左腕のクラブの引き下ろしが始まるという形で組み合わされます。この組み合わせによりクラブにはバックスイング時のクラブの振り上げ時に加えられた力が残っている間に左腕の引き下ろしが始まることになります。このクラブの振り下ろしの力は左腕からクラブのグリップ部分に加えられるためにウエートのあるクラブヘッドがバックスイング方向へ動く間に手元は振り下ろされていくことになります。この腕の動きの組み合わせはダウンスイング初期のクラブの振り下ろし動作の速度を増し、ダウンスイング中のクラブシャフトを強烈にしならせるためにその動きがキレのある運動に見えるということになります。

また体の回転ではバックスイング方向の回転を上半身が担当しダウンスイング以降の回転を下半身が担当します。この回転の組み合わせでは上半身にバックスイング方向の回転力が残っている間に下半身のダウンスイング方向への回転がスタートするため体幹部には捻じれが発生します。この捻じれはダウンスイング以降の体の回転を急加速させるためキレのある運動がそこの現れるのです。

ここからわかるようにキレのある動きとはリズムに基づく運動の急加速現象なのです。

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ゴルフはダンスだ  ゴルフクラブは勝手に動かない
だから、飛んで曲がらないボールを何度の打つにはそれなりの体の動きが必要になる
「コンバインドプレーン理論」はゴルフスイングを「体の横の回転」と「腕の縦の動き」の合成と考えています。この考えに基づくとスイング中の両腕、両脚、体幹の正し動きが明確になります。そんな考えからゴルフスイングや矯正法、ミスショットの原因解説や修正法などが開発できました。それらをすべて2~3分ほどの動画にまとめて見やすくしました。是非参考にしてください。
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<スイング見抜き能力Ⅳ>前回のお話は見ている人に「無理矢理的な動き」と「力感がない動き」という印象を与えてしまう運動の発生原因でした。これに続いて今回は「巧みさを感じない動き」という印象を与えてしまう運動をスポーツ運動学的視点から説明してい...
23/04/2023

<スイング見抜き能力Ⅳ>
前回のお話は見ている人に「無理矢理的な動き」と「力感がない動き」という印象を与えてしまう運動の発生原因でした。これに続いて今回は「巧みさを感じない動き」という印象を与えてしまう運動をスポーツ運動学的視点から説明していきましょう。今回の説明もあくまでスポーツ全般に言えることです。

2つ以上の動きを組み合わせる運動をあるレベルまで習得していくと、組み合わせる動きの間に「流れるような動きの結びつき」が生まれ、それが高度な運動質となって現れます。これが「運動の流動」と名付けられるものです。運動の流動は「運動の巧さ」という印象を見ている人に与える運動質であるため、動きの流れが運動中に途切れたり妨げられたりする運動は質が高いとはいえません。運動流動の特徴は、空間的には丸い曲線的な形態が最も優れており角(かど)が現れる運動はNGといえます。また、時間的には、ゆるやかな速度変化が優れており急加速や急減速はNGです。一方、力の流れ的には筋緊張が変化する中の「最大緊張」と「最小緊張」の間に急激な移り変わりが少なく「ゆるやかな移行」という特徴があります。

ここからわかるように、スポーツ運動では力を突然入れるのは非効率的で合目的ないとされます。そのため、最も力を必要とする主要局面では体に近い方から遠い方に力を流がすことが必要不可欠となります。そう考えると、導入動作から主要動作への移行時には角ばった動きが少なく、主要局面をスタートさせる時に、これから動かす体の部位に最も大きな筋緊張を作りだす準備ができるように反射的に持ち込むことが重要となるのです。そして、これができれば運動には丸みが出るのです。

以上のような運動の対象をゴルフスイングにしてみましょう。ゴルフスイングに必要な丸みのある動きには、まず「腕の縦の動き」があげられます。この動きは左肩を中心とした腕の縦方向の円運動になります。そして次に「体の横の回転」があげられますが、これは背骨を中心とした体の円運動になります。そして、この両者を合成させたゴルフスイングは当然「腕の縦の動きと体の横の回転の組み合わせによる円運動」となります。

これら3つの体の力(内力)によって作られるゴルフスイングのイメージがコンバインドプレーンイメージであり、そこに「重力」、「身体の慣性」、「動かす対象物の慣性」などの外力が調和して個人個人のスイングプレーンが形成されることになります。ここでは内力で作られる3つの円運動が外力によってゴルファー各自の楕円となって現れますが、これが見ている人に「巧みさ」を感じさせるゴルフスイングになるというわけです。

では今度は「巧みさを感じないゴルフスイング」というのを見てみましょう。まずは、「バックスイングの腕の動きに丸みがないスイング」です。このスイングでは、本来右腕がクラブを振り上げ担当し、主要局面であるダウンスイングをスタートさせる時には「左上腕が最も大きな筋緊張を作りだす準備状態にする」という腕系のバックスイング動作が行なわれるはずにもかかわらず、右腕がクラブの振り上げを担当していないで左腕がクラブを振り上げてしまいます。なぜ左腕でクラブを振り上げてしまうのかというとダウンスイング時に右腕でクラブを振り下ろす方が大きな力が発揮できる気がしてしまうからです。しかし、右腕によるクラブの振り下ろしは直線的な動きになりやすくフォロースルーの腕の動きへの流れが途切れることになります。

次に「体の横の回転」ですが、この動きに丸みがないNG動作としてはバックスイング時の「スエー動作」やフォロースルー時の「体の回転停止」があげられます。これらはいずれも動きの流れが運動中に妨げられたり途切れたりということになることがわかりますよね。

以上のようなスイングを矯正する時には「腕の縦の動き」と「体の横の回転」に丸みをつけるには何をどう修正すればよいか? という考えに基づけば矯正するポイント割り出すことができるようになります。

運動指導者は、自分ができるだけでは十分な指導はできません。勉強が必要です。
つづく

19/02/2023

<スイング見抜き能力Ⅲ>
前回は見ている人に「運動が不完全な感じ」とか、「動きがバラバラ」という感じを与えてしまう運動の原因を説明しました。今回は行われている運動が「無理矢理的な動き」、「力感がない」というような印象を与えてしまう運動はなぜ発生するのか? をスポーツ運動学的視点から説明していきましょう。ここでの説明はあくまでスポーツ全般に言えることです。

では「無理矢理的」という印象を与えてしまう運動からです。この印象には「運動の伝導」が関係しています。質の高い運動では、運動者の意識しないところで動きの順序が完成している場合が多く、主要局面はすべての関節や両腕・両脚で同時に開始されるのではなく、その経過にはある順次性、例えば腕の動きの中には上腕、前腕、手というような一定の順序というものが見られるのです。これに対して質の低い運動にはこのような調和のとれた順次性は見られないか不完全な形態でしか見られません。順番を守らずのぞむ結果を出そうとすると動きに「無理矢理感」が出てしまうのですね。ただ、指導者が運動の伝導やその指導法を知らないと、ただ「無理やり感が強い!!」、「もっとやさしく」とか「もっと流れるように」としかアドバイスできないということになります。

「運動の伝導」とは「運動エネルギーの伝導」であり、伝導の種類には「胴体から両腕・両脚へのパターン」と「両腕・両脚から体幹へのパターン」があります。前者の胴体から両腕・両脚への伝導では、腕への伝導である投げる運動、脚への伝導の蹴る運動、頭への伝導のヘディング運動があげられ、ゴルフスイングのような体の回転によって生まれたエネルギーを使う運動もこれに含まれます。これに対して両腕・両脚から胴体への伝導では、腕からの伝導では競泳のスタートがあげられ、脚からの伝導では跳躍動作があげられます。そして、物を動かす運動の場合は胴体から両腕・両脚へ、すなわち「近位(体に近い部分)から遠位(体に遠い部分)」、一方体を動かす運動では両腕・両脚から胴体、すなわち「遠位から近位」ということになります。

次に「力感のない運動」について考えてみましょう。ゴルフスイング以外の運動でもそうですが、運動者は精一杯頑張っているのに力感のない感じを与えてしまう運動にはよく遭遇します。このような運動は、未熟な指導者には運動者がまじめにやっていないように見えてしまいます。そのため、ゴルフ指導現場でも、もっと真剣に「ビュッ」と振ってとか、思いきりよく「ブーン」と振ってというアドバイスを耳にします。しかし、このようなオノマトペを用いた運動指導は上級者しか効果をもたらしません。

この力感のない運動の原因は手抜きではなく運動の調和が上手くいっていないから発生します。運動の調和とは、運動を構成するすべての動きが統一的にまとまりを持ち同調していることで運動全体が均斉のとれたものになっていることを意味します。動きに調和がとれていない運動には良い運動に出現する特徴が十分に現れないために「力感のない運動」という印象が強くなってしまうのです。運動調和によって現れる運動の特徴は力学的や解剖学的な分析では説明がつかないうえに指導法も見いだせないのですが、具体的に説明にすると、2つ以上の動きを組み合わせる時に異なる方向への動きや反対方向の動きを組み合わせると同じ方向の動きを組み合わせることに比べて力強い動きが生み出せるということなのです。例えば、上から下へ重力を味方につけて振り下ろされる物体に回転方向の力を加えて速度アップを図るとか、右方向に回転する上半身に左方向に回転する下半身を、タイミングをずらして組み合わせることで左方向の回転の速度アップを図るとかです。このような動きで調和がとれるようになると左方向の回転をスタートさせる際に「ビュッ」とや「ブーン」を感じるようになるのです。

運動指導者は、自分ができるだけでは十分な指導はできません。勉強が必要です。

つづく

20/01/2023

ゴルフ上達のためには正しいグリップの習得はとても重ようです。   多くのゴルファーが正しいグリップを習得しなければゴルフは上達しないと教えられています。それにもかかわず、情報が氾濫している今日では、ゴル.....

<スイング見抜き能力Ⅱ>見ている人に「運動が不完全な感じ」とか、「動きがバラバラ」、「無理矢理的な動き」、「力感がない」、「巧さを感じない」、「切れがない」、「キマッタ感がない」、というような印象を与えてしまう運動はなぜ発生するのか? そし...
25/01/2022

<スイング見抜き能力Ⅱ>
見ている人に「運動が不完全な感じ」とか、「動きがバラバラ」、「無理矢理的な動き」、「力感がない」、「巧さを感じない」、「切れがない」、「キマッタ感がない」、というような印象を与えてしまう運動はなぜ発生するのか? そして、そのような運動を矯正するにはどうしたらよいのか? スポーツ運動学はこのような運動の問題点解明やその矯正方法構築の手掛かりを与えてくれる学問なのです。

今回はまず「運動質の高さを見抜く」という考え方を導入することによる「より質の高い運動」を見極める方法から説明していきましょう。スポーツ運動の諸徴表は、図形的諸徴表、力動的諸徴表、心理的立場からの諸徴表の3群に分けられ、このそれぞれに運動の質を見抜くための手掛かりが現れます。簡単に言うと、動きの結果であるフォームという徴表の中の「美しさやバランス」が現れ、さらに諸動作のなかに「力強さやリズム」が現れます。そして、その動き全体に「思い切りのよさやのびのびと動いている」という印象が生まれるといった感じです。こういった印象を受ける運動は質が高く、あまり感じない運動は質が低いということですね。

それでは「動きが不完全」という印象を与えてしまう動きの特徴から解説しましょう。運動は、「準備局面」、「主要局面」、「終末局面」という局面構造から成り立っています。そして、それぞれの局面は、準備局面が「主要局面を最もよく準備する」、主要局面は「運動の課題を直接的に解決していく」、終末局面は「運動の頂点から平衡状態へと移行していく」という目的でそれぞれ行われます。ゴルフでは「準備局面」がバックスイング、「主要局面」がダウンスイングからフォロースルーで「終末局面」がフォロースルーからフィニッシュになります。そして、準備局面、主要局面、終末局面の間にはある法則的関係がフォーム的やリズム的に存在し、このそれぞれにはよく調和した関係が必要になります。この関係を見分けるポイントは「力の入れ方」、「スピード」、「運動の大きさ」、にあります。

初心者や未熟練者の運動ではこの局面構造の成立が不完全であり準備局面と主要局面、終末局面がきっちり分かれず、なんとなくつながってしまう運動になっています。そのために一連のパフォーマンスも「不完全な運動」という印象を与えてしまうのです。そこで、運動学習過程で局面構造がしっかりと形成されるように運動学習を進めていくことが重要になるのです。これをゴルフスイングで説明すると、トップオブスイングという準備局面が完成していないのもかかわらず、主要局面であるダウンスイングに入ってしまうスイング、つまり、トップオブスイングが異様に小さいスイングや終末局面であるフィニッシュ姿勢のないスイングが例に挙げられます。

次に、動きがバラバラという印象を与えてしまう運動について説明しましょう。運動ではどんな準備局面にも主要局面の先取りが存在し、主要局面には終末局面の先取りが存在しています。ここからそれぞれの動作局面の関係及び目的が分かります。そして、その目的を達成していない局面が存在すればその運動は「動きがバラバラ」という印象を与えてしまう質の低い運動となってしまいます。このため運動の先取りを指導するには、局面間の関係とそれぞれの動きの目的が分かっている必要があるので、基本的な動き方の理論と、その理論に基づく運動構造を理解している人でないと指導することはできないということになります。ゴルフスイングの学習指導を例にとるとクラブが振り下ろしやすいトップオブスイングを作るのがバックスイングの目的でダウンスイングの先取りということになります。仮にダウンスイングの動きを考えずにバックスイングを行えばそれぞれの動きの関係性は薄くなり流れのないバラバラな動きという印象を与えてしまうのです。

このように見ると今回説明している「不完全」や「バラバラ」な動きを矯正するには、運動の構造を知り、それぞれの局面の目的を把握しなければならないということになります。これは、他の運動指導でも同じであり、左右対称でない動きには必ず左右の腕や脚でコンビネーション動作を行ないながら各局面を成立させています。例えば投動作では、右投げの場合主要局面で右腕を振る時に左腕は体を左回転させる引き動作を行っています。そして、この主要局面のために準備局面の左腕は目標方向に軽く伸ばされます。水泳の自由形の腕の動きでも、右腕が水をかくとき左腕は前に伸ばされます。そして、次に左腕は水をかく時は右腕が前に伸ばされます。循環運動ではこのように準備局面と主要局面が繰り返されながらそれぞれの局面の目的を果たす動きを行っています。

このように考えると運動指導では、主要局面で行う動作の結果だけを見るのではなく、いかに各局面の四肢体幹の動きと各局面間の関係及び目的を理解しく必要があるかが分かりますよね。

運動指導者も、自分ができるだけでは十分な指導はできません。勉強が必要です。

つづく

<スイング見抜き能力>スイング矯正指導を行う場合、指導情報提示の順序によってその情報の効果が変わってきます。そこで「指導フローチャート」を作成して情報提示の順序を管理していくということが重要になります。さらに、この指導プロ―チャートを作成す...
07/08/2021

<スイング見抜き能力>
スイング矯正指導を行う場合、指導情報提示の順序によってその情報の効果が変わってきます。そこで「指導フローチャート」を作成して情報提示の順序を管理していくということが重要になります。

さらに、この指導プロ―チャートを作成するには、最初の段階でスイング矯正のツボ、すなわち「スイング矯正ポイント」を見抜いておくことも重要になります。実際、ゴルフに限らず運動矯正ポイントを見抜く能力はスポーツ指導者には欠かせませんが、この能力の育成に大きな力を発揮するのが「スポーツ運動学」という学問です。このスポーツ運動学は、前回の東京リンピックで体操競技が団体で金メダルを取れるように当時のチームリーダーだった東京教育大学の金子明友先生がドイツから輸入したマイネル教授によって構築された学問です。

スポーツ運動学は体育やスポーツ指導の現場に山積する多くの運動問題に対して運動の一般理論という立場からアプローチして問題の解決を目指すものです。そのため様々な問題に対する考え方が用意されています。例えば,「運動はいかにしてできるようになっていくのか」という問題に対しては「運動の形態発生論」,「運動ができるようになる過程にはどのような段階があるのか」という問題に対しては「運動の学習位相論」。以下同様に「運動を学習あるいは指導するには,どのような方法・手段が適切なのか」には「運動伝承論」、「運動を指導する上で,どのようなときに,どのようなアドバイスを与えたらいいのか」には「運動発達論」という具合です。

このような運動指導に関する理論の中で、ゴルフスイングのいいところと修正が必要なところを見抜くために必要となるのが、「いい動きや欠点のある動きにはどのような特徴があるのか」という問題に答えを出す「運動質論」です。 

この運動質論では、質の高い運動とそうでない運動は何が違っていて、何を修正すれば後者は前者に変われるのかを明らかにされています。ゴルフスイングで具体的に説明すると、皆さんは他人や自分のスイング動画を見て、「運動が不完全な感じ」とか、「動きがバラバラ」、「無理矢理的な動き」、「力感がない」、「巧さを感じない」、「切れがない」、「キマッタ感がない」、というような印象を持ったことがあるでしょう。 でも、この様な印象の発生原因は力学的や解剖学的なアプローチでは絶対に明らかにできないんです。

でもスポーツ運動学の中の運動質論ならこれらの印象が傍観者に発生するのはなぜか、そしてどうすればそういった印象からサヨナラできるのか、こういったことがわかります。つまり運動を指導していく上では絶対知っておくべきことなんです。

つづく

住所

Setagaya-ku, Tokyo
158-0097

営業時間

月曜日 10:00 - 21:00
火曜日 10:00 - 21:00
水曜日 10:00 - 21:00
木曜日 10:00 - 21:00
金曜日 10:00 - 21:00
土曜日 10:00 - 21:00
日曜日 10:00 - 21:00

アラート

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