13/08/2026
『基準』2
もう一つの案件は少し古いクロスバイクの整備でした、おそらく2018年ごろのESCAPE RX2かな、2x9の変速システムにVブレーキ、ワイヤリングはフレーム内装のちょっと良いやつです。
依頼内容はチェーン交換・変速調整、外観チェックで依頼内容以外にフロントブレーキワイヤ交換とリアエンド修正、リアホイール振れ取りで良くなるかなって感じでした。
交換部品の交換、曲がりの修正を終えて変速調整で仕上げ、と思って調整をしてもぜんぜん決まらない
ワイヤーの引き、リリースの重さ的にワイヤーが錆びているわけではなさそう、もしやと思いリアの変速ワイヤーのテンションを指先でモニターしながらフロント変速レバーを操作したら。。。
わずかにテンション変化があります、これはどういうことかというとダウンチューブ内に内装されているシフトワイヤー(インナーワイヤー)が平行に走っておらず中でクロスしている事が予想されます、リア変速ワイヤーにフロントディレーラーのテンションが関与しているせいで変速が決まらないわけです。
お客さんに事情を話して最初の見積もりからインナーワイヤー引き直しの分、費用が増すことをお伝えして了承してもらい作業に取り掛かる、不調の原因を取り除けば当然きちんと動き出します、これにて一件落着。
ちなみにワイヤーは新車装着時からのワイヤーっぽかったのでお客さんに聞いてみたら、やはりワイヤー交換はしたことがないとのこと、つまり購入から7∼8年ずっと不調を我慢してたってことでした。
お客さんからは
「こんなことあるんですか?GIANTって一流メーカーだと思っていたのに」と聞かれたので
「おそらくワイヤーをクロスして組付けたのはGIANTのミス、しかし異常に気付かなかったのは販売店のミス、自転車は車やオートバイと違って工場のラインオフで乗り物としての性能は確保されていない、最終的に組上げした販売店の手によって乗り物として完成されるので納車時に不良に気付けない販売店のミスと言える」と答えたら
「そういえばその販売店に不調を言ったらメーカーのせいにされました、だからずっとGIANTってこんなもんかと思ってました」と
この件で思ったのが『この自転車売った販売店の担当者は、不調に対する原因追及とお客さんとの向き合い方の基準が低かったんだな』ということです。
原因がわからないから直せない、直せないけどお客さんが納得するであろう理由をなんとか付けないといけない、結果「GIANTなんでこんなもんです」ってなったのでしょう。
直せる技術があればメーカーが悪いなんて言う必要もないですからやはりこの技術が無いのと不誠実なお客さん対応は相互作用する気がします。
技術のある自転車屋は仮に接客がぶっきらぼうでも不調の原因追及には実に誠実です、そのメカに対する誠実さがどんどんメカニックが納得できる基準を引き上げていきます。
こんなこと書いてると、僕すごいメカニックみたいですけど最近カンパ12sで大失敗しました、なかなかセッティングか決まらない変速をどうにか手懐けてお客さんにお渡ししたら絶不調。
調べなおすとお客さんの訴え通りの不調、原因をひとつひとつ確認していくが不調の原因が見つからない、という事は今まで経験したことがないところに原因があるはず、と掘り下げ調べたらこれかなと目星は付けたものの、カンパニョーロジャパンにこれが原因か?と問うと「可能性はありそうですかそれが原因で不調という報告は聞いてないです」という返事、確定しないけど自分の勘に頼るしかない、もうすぐ部品が届くはず、これで直ってくれよな。